黄緑絵の具
絆で結ぶ。
『すまぬが、我のコーヒーはまだか?』
キッチンの入口を塞ぐように、ニヤニヤと笑うベリアルが立っていた。
『せっかくいい雰囲気だったのにさ』
『我のおかげであろう』
確かにベリアルがいたから踏み出せた一歩だ。
少し拗ねたくなった。
ベリアルが僕等に近付き、スグリの頭を撫でる。
『人間として生きるのは苦労するだろう。自分達で稼ぎ、生活し、食っていかねばならぬ。
シュウと支え合い、幸せになるんだぞ』
『あたしはベリアルも幸せになってほしいと思ってるよ。
もうあたし達のとこには来ないなんて言わないよね?』
スグリはにっこりと微笑んだ。
ベリアルはいきなり笑い出し、意味の分からない僕は二人を見つめることしかできない。