黄緑絵の具


ひとしきり笑った後、ベリアルも微笑んだ。

『まだ魔力が残っておるのか?
まさかバレてしまうとは思わんかった』


僕はベリアルに詰め寄る。

『……もう僕達には会わないつもりだったの?』

『我は悪魔。人間の魂を糧とするもの。
お前達に関わりすぎるのもよくないと考えておったところじゃ』


そう。
ベリアルは悪魔で、僕達は人間。

生きる世界も場所も違う。

でも納得出来る訳ない。


『今までだって仲良くしてきたし、友達だって言ってくれたじゃないか!』

『そうよ。
もう使い魔じゃないけど、気持ちまでは変わらないんだからね』


スグリと二人で、ベリアルに抱きついた。


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