黄緑絵の具


僕等はなんとかしようと必死だった。


初めて会った時は、怖くて仕方なかった。

何度も会ううちに、一緒にいるのが楽しいと思うようになった。


そしてふらりと現れるのが当たり前になっていった。


スグリと出会えたきっかけもベリアルが与えてくれた。


僕が孤独から抜け出したのに、ベリアルが独りになるなんて絶対許さない。

『もう会わないとか言うなら、別の悪魔に僕の魂を渡しちゃうからな!』


つい言ってしまった一言で、変な雰囲気が漂い出す。


『ほう。我以外の悪魔にねぇ』

『ベリアルのせいで、シュウがおかしなこと言い出したじゃない!』



ベリアルとスグリが言い争いになってしまった。


でもそれでベリアルがいてくれるなら、それでもいいかと思う。

その場を逃げ出すように、冷めたコーヒーを持って居間へと抜け出した。


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