黄緑絵の具
悪魔だ人間だなんて多分関係ないのだ。
悪魔と人間と使い魔という三人から、人間と悪魔っていう線引きがなされただけ。
立ち位置が変わっても、心は変わらない。
『シュウ……
お前、逃げたな』
振り返ると、諦め顔のベリアルが立っていた。
『スグリは?』
『あまりにもうるさいから眠らせた』
言い負かされそうになったのだろう。
『スグリも大事だけど、僕にはベリアルも必要なんだ。
ここが僕等の家になる。
家族のいる場所。
だからベリアルもうちの家族になりなよ。
ここでベリアルが帰ってくるのをいつも待ってるから……』
ベリアルは一瞬泣きそうな顔をしたけど、すごく素敵な最高の笑顔を見せてくれた。