黄緑絵の具



悪魔だ人間だなんて多分関係ないのだ。

悪魔と人間と使い魔という三人から、人間と悪魔っていう線引きがなされただけ。


立ち位置が変わっても、心は変わらない。


『シュウ……
お前、逃げたな』

振り返ると、諦め顔のベリアルが立っていた。


『スグリは?』

『あまりにもうるさいから眠らせた』

言い負かされそうになったのだろう。

『スグリも大事だけど、僕にはベリアルも必要なんだ。

ここが僕等の家になる。
家族のいる場所。

だからベリアルもうちの家族になりなよ。

ここでベリアルが帰ってくるのをいつも待ってるから……』



ベリアルは一瞬泣きそうな顔をしたけど、すごく素敵な最高の笑顔を見せてくれた。




< 97 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop