黄緑絵の具
店の入口からそっと入る。
『あ、お帰りなさい!』
『おかえり~』
店の奥から声が聞こえた。
『ただいま!』
忙しそうにレジを打つスグリと、商品の補充をするベリアル。
『僕もすぐに用意してくるから』
奥から自宅に上がり、荷物を置く。
僕等は桑原屋を再開し、文房具も扱うようになった。
近所の高校生や中学生のお客さんも来るようになり、夕方が一番忙しい。
『スグリ、カヨちゃん達来るから買い物行っておいで。
店には僕がいるから』
『わかった。鍋でいいよね』
エプロンを外すと、スグリは走って出て行った。
少し経つとお客さんもいなくなり、やっと一息ついた。
『シュウ。なんでこんなに忙しい?
我はもう疲れたぞ』
そう言ってベリアルは座り込んでしまった。