ゆずさんとたしろくん。
はじめに。
■出会い
ピンポーン...
「うーん、いないか。」
インターホンを鳴らすこと10回。
206号室のお隣りさんの部屋からは全く音がしない。
...留守か。
これだけ鳴らしても出てこないのだから、そう考えるのが普通だろう。
「また出直そう」
俺は引っ越しの挨拶にと持ってきたクッキーを206号室のドアノブに引っかけ、徒歩2秒の207号室へと戻った。