やくそく花火
本当に…
なんで協力するなんて言っちゃったかな。
「はぁ…」
ため息つくと幸せが逃げるっていうけど
あたしの場合、とっくに逃げてんだろうなぁ…
あたしのため息に太陽が気づいたのか、こっちを向いて大声をあげた。
「はぁ…はぁ………うわぁ…!?花夏!?お前こえーよ!」
あ。
そういやあたし、首だけ出してたんだ。
「あははっ。そんなに怖かった?」
そう言いながら太陽に近づいた。
「ビビったっつーの!チビるかと思ったし」
「チビるとか言わない!」
そう言って、あたしは床に転がったバスケットボールを持った。
「花夏は何でここにいんの?帰らねーの?」
「部活で練習出来なかったし、だから顧
問に言って鍵借りたの」
ゴールへと向かって、ボールを投げた。
あたしが投げたボールは見事に外した。
「あれっ!?入んなかった…」
ビミョーにショックだなぁ。
こんなにゴールが近いのに、ちょっと恥ずかしい。
「花夏ってさ、その位置苦手だよな」
太陽はボールをクルクルしながら言った。