やくそく花火
「別に…。付き合ってないっすよ…」
あいつは…花夏は、俺の事なんて何とも思ってなんかないみたいだし
「おっまえチキンだな~!」
直先輩が俺の肩に手を置いて言ってきた。
「お前は誰が好きだ?」
「えっ!?なんでそんな…」
「いーから応える!!」
ガクガクと俺の肩を揺らして問い詰める。おえ…気持ち悪ぃ
「かっ…花夏が好きです。」
「よし言った!!それでこそ俺の後輩!!」
直先輩は満足そうな顔をしながら笑った。
「お前らは花火大会はいいから、その代わりうまくやれよ!」
「うまくって…」
「付き合うってことだよ!!花火大会までにっ!!」
「つつつっ!付き合う!?…」
顔が熱くなるのがすぐにわかった。
直先輩はそんな俺を見て笑いを必死でこらえている。
「ガキだな~!!そんな事で顔真っ赤にして」
ワシャワシャと俺の頭を撫でてからかう。
「ガキじゃないっすよ!」
頭にある手を振り払って、言い返す。
「はいはい。わーたよ!!…俺もう行かねーと!!次移動教室なんだよなぁ」
直先輩は部活でな。と一言言って走っていった。
俺も花夏の方へ戻る事にした。
ガラガラガラ
教室に戻ると、太陽は大人数の輪に入っていった。
「おっせーよ!太陽~!!」
「マジで?そんな時間かかった?」
太陽を見るとみんな笑顔で出迎えた。
散らばってたみんなも太陽の方に向かってた。
その場にいるだけでみんな笑顔になる。太陽はいわゆるクラスのムードメーカーってとこ。
あたしは机に座っている由香里に近づいた。