ネクロフィリア【加筆執筆中】
「…ありがと」

「ん」


どちらともなく、自然と手を繋ぐ俺と藤井さん。
それから、マンションのエレベーターに乗り込んだ。

藤井さんは7階のボタンを押すと、俺の体に静かに寄り添った。


お互い何も言葉は出なかった。
…いや、交わせなかったのかもしれない。


チンと言う音と共に開いたエレベーターの扉。
藤井さんは先に歩くと、俺を誘導する。

705号室が藤井さんの住んでる部屋だった。


ドキドキと自分の鼓動がこれでもかってほど聞こえる。

後少し。

後少しで…。


緊張と興奮で手に汗を掻いてないか、それだけが気になった。
だけど、藤井さんは全く気にした様子もなく、鍵を出すと扉を開ける。

一度、俺の顔を見ると直ぐに前を向き中に入って行く。
俺もそれに倣う。


整頓された玄関。
それから真っ直ぐな廊下を進む。



「ここ、私の部屋だから寛いでて」

「うん」


俺を自分の部屋に通すと、藤井さんはどこかへ姿を消した。
すぐに戻ってきた藤井さんの手にはトレイがあった。


その上に飲み物が入ったグラスが二つ。
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