ネクロフィリア【加筆執筆中】
“キスしたい”



今、彼女の最後の望みを叶える。


俺は藤井さんの両肩を掴むと、ゆっくりと近付いた。

お互い、自然と目を閉じて。



軽く、口付けを交わす。


一瞬の。
だけど、果てしなく長い様な。


「……ありがと」

藤井さんはそろりと目を開けると、震える声でそう言った。


藤井さんの指には俺があげたおもちゃの指輪。


また、くっと息が詰まる。
胸が苦しくなる。
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