ネクロフィリア【加筆執筆中】
「お風呂入ってるのー?」


ふいに声をかけられて、俺はドキっとした。
何も後ろめたいことなどないのに悪い事をしているような気になる。


「そう、早起きしたから」


シャワーの音がうるさいから、声を張り上げてそう言う。
それに母親は納得したのかご飯作るからね、とだけ告げて去って行った。


母親の声で現実に引き戻されたような、何とも言えない気持ちになった。



一言で言うならば…、そう。
焦燥感。


俺は、血を洗い流すとシャワーを止めてお風呂を出た。



冬でよかったと思う。

夏なら。
すぐにこの傷に気付かれただろうから。
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