ネクロフィリア【加筆執筆中】
「…羨ましかったんだ」


ドキンとした。
心臓の鼓動が確実に…速くなっていて。


「だから、私も死にたいって思った」

「…ほ、んとうに?」


俺は震えながら声を出しているのに気付いていた。
でも、この興奮を抑える事が出来ない。


「…うん」

「今も?死にたいって思ってる?」

「……うん」


今俺の目はきっと、新しいおもちゃを買ってもらったかのようにキラキラとしているだろう。


だって、間近で自分が殺す以外で死体を見ることなんて出来ない。
このチャンスを逃したくない。



「…でも、痛いのはやだなあ…」


そう、藤井さんがぽつりと呟く。



「痛くない死に方なんてたくさんあるでしょ」

「……」


俺がそう言うと、藤井さんは黙ったまま俺の顔を見つめた。
キョトンとした顔を見て、俺の眉間に皺が寄った。



「……何?」


だって、思った事を俺は言っただけだ。
何だろう…?


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