ネクロフィリア【加筆執筆中】
「普通さ、死にたいとか言ったらダメだよ!とか言わない?」


ちょっと、口を尖らせて彼女が言うのを俺はああ、と納得しながら頷く。
それから、俺も藤井さんの顔を見る。



「でも、藤井さん。そんなん慰めになるの?」

「!!」


藤井さんがハッと息を飲み込んだ。
俺はそれに軽く嘲笑する。


手を合わせて、口元へと持って行くと続けた。


「俺、冷たいのかなあ…。
でも、死にたいと思ってるなら死んでもいいんじゃないかな。
だって、この世に生きてる必要なんてないかもしれないし。
俺は別に自殺願望はないけど」

「…そうなの?」

「うん、ないよ。
でも、別に生きたいとも思ってない」

「何それ」

「だって、何で皆と同じ様な考えを持たないといけないのって思う。
それ以外の考えはおかしいとか、異常とか。
そう、弾くから色々犯罪が起こるんだって」

「…なんか、難しいよ」

「そう?
死んだらいけないって誰が決めたの?
生きなきゃいけないって誰が決めたの?
いっその事、死んじゃったらいいじゃん。
無理して笑う必要も、頑張る必要もないんだから」


俺はべらべらと話し続けた。
藤井さんは時折、訝しげな顔を見せて、それから頷く。
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