ネクロフィリア【加筆執筆中】
「だから、明日は居酒屋ね」

「…わかった」

「大人っぽい格好するんだよ?」

「大人っぽいって何」

「うーん、ちょっとジャケットとか着て。
あ、スーツとか?」

「スーツなんて持ってないし」

「そうだよねえ。じゃあ、どうにか頑張ってね」

「ああ、うん」

「今日はここでいい」

そう言うと、藤井さんは前へ出る。
公園まで後少しだったのに。



「また、明日ね!
明日は夕方六時に集合ね」

「六時?」

「そう、居酒屋だもん。そんぐらいじゃなきゃ開いてないでしょ?」

ああ、そうか。
確かに。

納得しながら俺は頷く。


そんな俺を見て、藤井さんは再度明日ね!と言うとまた走って去って行った。


………藤井さんの家ってどこなんだろう?
送っていくって言っても断るし。

かと思えば急に去るし。



途中、通り魔に遭わないでくれたらいいと願う。祈る。


もしも、死ぬのならば。



俺の目の前で。

ただ、そう願う。

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