ネクロフィリア【加筆執筆中】
…だけど。


俺達は未成年だ。
お酒の事なんか、ぶっちゃけあまりわからない。

見た事ある名前の飲み物でいいか…。


「………カシスオレンジ」

「えっとー…私はファジーネーブル」

「かしこまりました」

そう言いながら、店員は復唱すると去って行った。
その後ろ姿を見てから、俺は藤井さんを見る。

俺の視線に気付いた藤井さんは、ちょこっと舌を出して笑って

「バレないもんだね」

そう言った。

「…本当に」

「不安だったけど、結構緩いのかな」

「調べられなかったのはバイトだからじゃない?」

「そうかあ。なんて運いいんだろうね」

まあ、俺に言わせてみれば。
今日の藤井さんを未成年に見えるかと聞かれたら、ちょっと考えてしまうだろう。

運がいいのも、もちろんあるのかもしれない。

だけど、それだけじゃないように思えた。
< 71 / 144 >

この作品をシェア

pagetop