ネクロフィリア【加筆執筆中】
それから、そこを通った人が彼女を見て叫び声をあげると、騒ぎを聞きつけた住人が飛び出した。
そして、辺りは一変して警察やら、やじ馬やらで騒がしくなった。



俺は第一発見者として警察に事情聴取をされ、家に帰ることが出来たのは日付が変わった頃だった。


両親に心配されたが、俺は疲れたとだけ告げて早々に部屋に引きこもった。


この興奮を邪魔するな。
この気持ちを失いたくない。



俺は部屋に入ると、胸を抑えて、その場にへたりこんだ。



ドクンドクンと、心臓が鳴るのを俺はただじっと黙って聞く。
この小刻みにリズムを奏でる心臓は、どこか別物の様に思えた。


普通の生活に物足りなさを感じていた俺は。


“彼女”を見て、これだと思ったんだ。



そして、どうして写メでも撮ってこなかったんだろうと。
自分の無能を悔やんだ。



興奮冷めきらぬまま、俺はベッドに横になると眠ろうと試みる。
だけど、結局眠れず、俺は一夜をそのベッドで過ごした。

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