わき役の私…花咲く
「あった」と本を取り出せば、教室入り口に居る私の目の前へやって来た。
「これさ、まひるの好きそうな内容だったから貸したかったんだ!」
手渡された本をペラペラ捲りながら「へぇ~」と答えると、
「原作がゲームだったんだけどー」
と話を続ける敦。
「邪魔…」
ふと後ろから声がして振り向けば、不機嫌な顔の朝倉君が立っていた。
「あっごめん…なさい…」
朝倉君の声が冷たくて、ビックリしながら入り口から離れる。
敦はそんな朝倉君の態度を気にしてない様で、「入り口でごめんな?」と気さくに言いながら、教室から出て私の近くへ寄る。
するとタイミング良くチャイムが鳴り、
私は敦に「じゃあ借りるね!!ありがと」と言って教室へ足早に戻った。