わき役の私…花咲く
「…朝倉君…」
私は休み時間に朝倉君の教室まで来ていた。
自分でもびっくりするくらい最短時間でお弁当を食べていた私を不思議そうに見ていた美砂に、
「朝倉君と話してくる」と言えば、何故かニヤニヤしながら「ごゆっくり~」なんて手を振られた。
恐る恐る教室に入って、友達とお昼を食べている朝倉君の背中に声を掛ければ、
ビクッと肩を揺らしてから振り返った。
その顔が凄く驚いている。
私から朝倉君のところへ予告無しに来る事はないから、
驚くのも無理はない。
「…っ、どした?」
「ちょっと話があるんだけど、良いかな?」
朝倉君は一瞬で顔を曇らせた。
だが、数秒して立ち上がると、「行こう?」と私に言いながら前を歩いて行く。
私はその背中を追って行った。