わき役の私…花咲く




その手が私の左頬に添えられると、覗き込むように見つめられた。



真っ赤な顔をジッと見られているのが恥ずかしくて、
顔を反らそうとすれば、


「ダメ」


と、朝倉君の左手で私の右頬も触られる。


優しく手のひらで頬を包まれてしまえば、顔を背けられなくなった。




……………あっ…




ふっと浮かんだ欲望…。


でもそれを口にする事は出来ず、
朝倉君と見つめ合ったまま……





「……キス…したい……」




ボソッと言葉を吐き出した朝倉君に目を丸くする。






それは、さっき私に浮かんだ欲望と同じだった。



思っていても口に出来ない私とは違い、
朝倉君は顔を近づける。


……………もう少し……




「まひる~~?」




 
< 28 / 42 >

この作品をシェア

pagetop