わき役の私…花咲く
当たり前だけど、
付き合い始めてから朝倉君は『美砂と一緒に居る私』じゃなくて『彼女の私』のところへ来るようになった。
しかも、前の様に用事じゃなくて、私とただ話に来る。
私でもわかるその事実が…
むず痒くて、
恥ずかしくて、
嬉しくて…
劇団でずっと裏方だった人が、急に主役へ抜擢されたくらい、
私には驚くべき変化。
でも、その変化に心がついて行かない。
こうやって、朝倉君が私と話してくれてるだけで胸が詰まりそうになる。
それは、朝倉君が誰でもない私を第一に優先してくれるから。
そんな扱いに慣れてない私は、どうしたらいいのかわからなくて、
今までの身についた通り、他の人を優先に考えてしまう。
それが、朝倉君を不機嫌にしてしまうようだ………