わき役の私…花咲く



「あの、朝倉君…」
「お~い!まひる~!」



私の細い声に被った豪快な声。


反射的に呼ばれた方を見れば、教室の入り口を大きな身体で塞いだ山田 敦がいた。



多分他の人なら、私の目の前にいる朝倉君を見て、気を使うだろうが、
そんな事は考えない敦。


遠慮無しに教室へ入ってくると、私の座る横まで来た。




「お前の家に、●●って漫画ないか?」


そのまま話題に入ったので、どうしたら良いのかわからない私は、
朝倉君への会話を中断して、敦への質問に答える事にした。



「ん~多分弟が持ってると思うよ。持ってこようか?」

慣れた貸し借りの話なので、大体敦の言いたい事がわかった。
『持ってたら貸して』と言う事だろう。





 
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