わき役の私…花咲く
「あー持って来なくていいよ!あれ結構巻数あるから重たいし、今度夜にでもまひるん家に取り行く!」
「わかった。じゃあ弟に言って用意しておくね」
こういう事も中学の時から多いので、突然夜に敦が家に来るという事に慣れてる我が家。
敦が人懐こいので、家の家族も敦には親戚の子みたいな感覚があるようだ。
敦が来れば必ず家の中に招く。
要件を話終えた敦は、「じゃあまたな」と言いながら教室を出て行こうとして、思い出した様に「あっ」と声を上げた。
「朝倉、さっき担任が呼んでたぞ?」
私の席の前に居る朝倉君をちらっと見て言うと、今度こそ教室を出て行った。
敦が出て行ったのを見送った後に、朝倉君に目線を戻す。
そこで不意にドキッと胸が高鳴った。
朝倉君が私をジッと見ていたから………