わき役の私…花咲く
「朝倉君…先生呼んでるって…」
再度私からも言うが、動こうとしない朝倉君。
ジッと見つめる目が、鋭いような、熱いような、何か訴えてるような目……
決して笑ってはいない。
「……どうしたの?」
気になって聞いてみれば数秒後に
「……わからないの?」
と答えられる。
その言い方や声音が怒ってる気がして、私はビクッと身体を堅くした。
「わ…わからない…です」
怖さから敬語で答える私に、
朝倉君は大きなため息を吐いた。
そして、
机の上に投げ出された私の左手を、自分の右手で触り、優しく手のひらを撫でる。
ビクッと肩を震わせれば、
「可愛い」
とニヤッとした顔で呟いた。