儚き願い
生命の樹【イノチノキ】
『ねぇ、母様?』
『柘榴??
どうしたんだい?』
『どうして人間は僕らを怖がるの?』
『柘榴いいかい?
私達獣はやがて人間の誰かと
“契約”
をしないと生きていけなくなってしまうんだ。
そして、獣は人間との契約の上で
生気【えさ】をもらって生きているからだよ。
お前にもわかるだろう??』
『はい、母様。
でもね、僕はいつか人間になりたいんだ。』
『柘榴。
今は良いかもしれませんが、
人間と契約をした後に
それを言ってはいけませんよ?』
『何で?母様??』
『それは我ら獣の
“禁忌”
の言葉だからです。』
『キンキって何?』
『やってはいけないことという意味です。
さぁ、柘榴。
もう遅いからおやすみ。』
『はい。母様』
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