儚き願い



「獣のくせに
なぜそんな人間の子供を庇うんだ?」
獣の片方は僕に言った。





『獣のくせに』





その言葉に
僕の心臓が大きく波打った。





「聞いたぜ。
俺ら獣の中に人間になりたいって言う
おかしな奴がいるらしいぜ。」
また別の方の獣が言う。





『人間になりたいおかしな奴』
僕の心臓の音は
どんどん高ぶっていった。





そして、ぷつんと
意識が途切れた。





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