儚き願い



僕の意識は
誰かに僕の名前を呼ばれ
だんだんと、はっきりしていった。





(僕を呼ぶのは誰?)





朦朧とした意識の中
女の子の顔が浮かんだ。





「あぁ、君か。」
僕は小さく納得の声を出した。





その瞬間、



僕の意識は現実世界に引き戻されるかのように



光の中に吸い込まれていった。





気づくと
僕はほかの獣を半殺しにしようとしていた。





いや半殺しどころではない、



きっと、殺そうとしていた。





「柘榴っ!柘榴もういい!
もうやめてよ!!
死んじゃう仲間が死んじゃうよっ!」
振り向くと



女の子が顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。









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