儚き願い




「君が・・・
僕の新しい・・・
主人。」





そう。
獣の名を呼ぶことは
“契約した”
ことを示す。





「主人??」
女の子は言った。





「獣を名前で呼ぶ事。
それは契約が成立した事を指すんだ・・・」





僕は説明した。
が、女の子には分かるわけもなかった。





「僕の真の名。

人はそれを真名【まな】と呼んでいる・・・
僕はあのとき、
契約を成立させないために
嘘の名を名乗ろうとしていたんだ・・・」
僕は女の子に言った。





「真名?
柘榴の本当のお名前??」
わかったことだけを女の子は言った。





「君の名前は
何て言うの??」
僕は女の子に聞いた。





「私のお名前はね
蓮華っていうんだよ!」
蓮華はうれしそうに答えた。









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