儚き願い






「柘榴?どうしたの?」
蓮華は深刻そうな顔をしていた
僕を見上げて言った。





「ん??何でもないよ。」
僕は微笑んで答えた。





「本当に??」
蓮華は聞いてきた。





「うん。本当に。」
僕は答えた。





僕はまだこのことを言いたくなかった。
言ったら、蓮華が僕から
離れていってしまうのではないかと
とても不安だったから。





捨てられる
と言うことより
嫌われる
と言うことが
怖かったから。





自分が死んでしまうと言うことより、
蓮華に嫌われてしまうことの方が
怖かったから。




なんでいやなのか
なんで怖いのか

そんなことは全く分からなかった。













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