儚き願い
「僕のことなら心配しないで!
今日は何を作ってくれるの??」
僕はそう言って、夕飯の話しに切り替えた。
「今日はね・・・肉じゃがと~」
そう言って蓮華は
夕飯について話し始めた。
そんな蓮華をよそに、
僕の中ではもう一人の僕が
『今日の夕飯は生気人間の生気♪』
と、鼻歌交じりに言っていた。
「止めろ!!
僕は生気なんて吸うものか!!」
苛立ちを隠せなくなった僕は
大きな声で怒鳴り散らした。
「柘榴!?どうしたの!?!?」
蓮華にはもちろん何が起こっていたのか
全く分かっていない。
突然大きな声で怒鳴った僕を見て
蓮華は驚いている様だった。
『柘榴食べちゃえよ♪
いつまで我慢してるつもりだよ♪
死なない程度に生気(えさ)を
もらえば良いだろ♪』
僕の中でもう一人の僕は
まだ言い続ける。
「消えろ!!
うるさい!!」
僕はもう一人の僕に言っているつもりだった
が、まわりにいる人間には
全く聞こえる訳のない声・・・
空腹のあまりに聞こえてしまう
幻聴・・・
「柘榴っ!!落ち着いて!!
どうしたの??何があったの!?!?」
必死に僕に問いかける蓮華の声。
意識が朦朧としてきた。
(まずい!!)
獣の直感というものだろうか??
僕はこのままではいけないと思って、
思い切り自分で自分の頭を
地面に叩きつきた。
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