儚き願い




気付くと、僕はしっかりと
布団の中に眠っていた。





「ここは何処僕は?」
しばらく考え続けた後、
今までの経緯を思い出した僕は





がばっと布団から起きあがって
あたりを見回した。





そこには、蓮華の姿はなかった。
「蓮華??」
僕はその部屋を出ようとした。
その時、





「駄目だよ。」
と、どこからともなく少女の声が聞こえた。





「誰だっ!?」
僕はあたりをきょろきょろと見回した。





「私は守楠(しゅなん)ここは我が主
繕桜(ぜんおう)様のお屋敷。」
声だけの少女は静かに僕に説明した。





「蓮華は何処にいるんだ??」
僕は守楠と名乗った少女に言った。





「彼女なら一足早く
家にお帰りになられましたよ。」
後ろから品の良さそうな声が聞こえた。





僕は驚いて振り返るとそこには、
僕よりも10センチほど小さい
小柄なおじいさんが杖をついて立っていた。
きっとこの人が繕桜と呼ばれる人物であろう。

















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