儚き願い





「僕はなんでこんな所に居るんですか??」
おじいさんに僕は聞いた。





「君は良く頑張っていたね。
6年間も主から生気をもらわずに・・・」
おじいさんは言う。





「何故その事を知っているんですか??」
僕は蓮華のことが気になってはいたが、
おじいさんのこの言葉にも
何かがひっかっかったために
僕は問いかけた。





「近頃、近辺の森から生気が失せていくのが
どうも気がかりでのう。
守楠に森を調べさしていたのじゃ。」
おじいさんは僕に説明した。





「蓮華に言ったんですか??」
僕は聞いた。





「もちろん、申しました。
彼女は悲しんで言ってました。
“私はそんなに信用ないのか?”
と。」
おじいさんは良いずらそうに
蓮華の言っていた言葉を並べた。





「・・・・・・・・・・・」
僕は何も言えなくなってしまった。





「お前も家に帰るか?
おなかの方も大分膨れているはずじゃ。
もうあのような衝動や幻聴が
聞こえたりしていないじゃろう??」
おじいさんは僕を見て微笑んだ。





「空腹で幻聴が聞こえる様になったら
また私の所に来なさい。」
と、おじいさんは後から付け加えた。




僕はおじいさんに
「ありがとうございました。」
と一礼しておじいさんの家を出た。





蓮華が先に家に帰っている
という事を聞かされ
僕の足取りはとても重かった。





でも、僕は家への帰宅を急いだ。
今日は、


蓮華と僕が初めて出会った日


だったから。



















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