儚き願い
衝撃と変動【ショウゲキトヘンドウ】
僕は、君が起きるのを待っていた。
時々うたた寝をしながら。
だって、君のその寝顔を
無理矢理起こしてしまいたくは
なかったから。
「んーっ」
君は小さく唸った。
その声を聞いて
僕は君が起きたのかと思って、
おき上がった。
でも、それは君のただの寝言だった。
僕は君が起きたらすぐに謝ろうと思っていた。
許してくれるまで謝って、
それから僕は一緒に昨日祝えなかった
出会いの日を祝おうと思っていた。
君はなかなか起きなかったから、
一足先に僕は台所を失敬して
祝いの料理を作り始めた。
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