儚き願い
『・・・くろ。
ざ・・・くろ』
また、誰かが僕のことを呼んでいる。
僕の意識は朦朧としていた。
僕は死んじゃうのかな?
そんなことさえ頭を過ぎった。
『柘榴。
獣である自分を責める心を消しなさい。
迷っている心を捨てなさい。
何が正しいのかなんて
そんなのは誰にも分からないのだから。
ただ自分が正しいと思う道を選び
進みなさい。』
僕の中に優しい声が響いた・・・
誰の声だろう?
懐かしい様な
不安なことがかき消されていくかの様な
そんな不思議な感覚に襲われた。
『負けないで!!』
という声が僕の中で響き渡った。
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