儚き願い





『・・・くろ。
ざ・・・くろ』
また、誰かが僕のことを呼んでいる。





僕の意識は朦朧としていた。
僕は死んじゃうのかな?

そんなことさえ頭を過ぎった。





『柘榴。
獣である自分を責める心を消しなさい。
迷っている心を捨てなさい。
何が正しいのかなんて
そんなのは誰にも分からないのだから。
ただ自分が正しいと思う道を選び
進みなさい。』
僕の中に優しい声が響いた・・・
誰の声だろう?





懐かしい様な
不安なことがかき消されていくかの様な
そんな不思議な感覚に襲われた。





『負けないで!!』
という声が僕の中で響き渡った。




















.
< 38 / 100 >

この作品をシェア

pagetop