儚き願い
『私が死んだら?』
蓮華の声が僕の夢の中にまで現れる。
苦しい。
この言葉を聞くと、
僕の瞼の裏に鮮明に残る崩壊した村が
よりクリアに現れる。
それだけではない。
朱雀さんが僕を見下げて言うんだ。
『何故私を殺したのだ。』
と。
(殺すつもりなんてなかったのに。)
僕自身その事をよく理解していたし自覚していた。
だから、こんな風に言われると、
僕は自分自身が怖かった。
朱雀さんを殺ったのは
村のため?
人間のため?
それとも・・・
考えたくなかった。
顔が恐怖の色へと変貌する。
.