儚き願い
逃走【トウソウ】
牙炎の力を借りて
僕は蓮華を救うことを決めた。
まずはこの森を抜けるのが
最善であり、先決するべき事だった。
ここは森の入口の方で
村からもそう遠く離れていない。
「柘榴?」
僕は頭の中で色々な事を考えていた。
牙炎はそんな僕に顔を顰めながら
僕を呼んだ。
気付くとあたりには沢山の獣の臭いが溢れていた。
僕と牙炎はその獣たちに見つからない様に
走っていた。
その足はしっかりと正確に
村に向かっていた。
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