儚き願い
守楠は僕に言った。
「彼女は何か強いショックを何らかの形で
受けてしまったのでしょう。
記憶を取り戻すには
更に大きな
“何か”
をしなければ記憶は戻りません。」
淡々と守楠は説明した。
「記憶喪失。だな」
牙炎は言った。
「キオクソウシツ?」
僕は聞き慣れない言葉を牙炎に聞き返した。
「記憶がなくなってしまうことです。」
守楠は説明した。
僕には理解出来なかった。
が、思った。
このままでは・・・
忘れられたままでは
いやだ
と。
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