儚き願い





その後、ずっと長く続く道を歩いていくと





紅い髪の
人間の姿をした獣が
僕らの前に立ちはだかった。





紅い髪のそいつは言った。
「お前らは三人とも獣だな?
何故契約していない人間と一緒にいる!?」
と。





言わないで欲しかった。
僕たちが、
僕が獣であるという事を・・・





「お前も獣だろ!
第一貴様は誰だ。」
牙炎は強い口調で言った。





「ん?
俺は紅赤。

ちなみに言うと、
お前は誰だじゃなくて、
お前たちは誰だ?
でしょ」
そう言うと紅赤はその顔に
冷たい笑みを浮かべた。





守楠よりも
冷たい笑みを・・・







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