儚き願い




「はぁ・・・はぁ・・・」
苦しそうに大きく肩で呼吸する雷神。





流石にだるま落としは
このでかい雷神にも効いたらしい。





だが俺も奴のことばかり
言っていられない状況だった。





さっきの一撃で俺は
あちこち血だらけになった。
出血がなかなか止まりそうにもなかった。





早く片づけて止血しねぇと
やべぇな俺・・・





そんなことを考えながら
ユラリと立ち上がる俺。





そんな俺を見て雷神は驚いた様に言った。
「そ、そんな俺様の雷楽(ライガク)を喰らって
立ち上がるなんて・・・
あ、あり得ない。」
と。





「生憎だがな俺の辞書には
“不可能”
なんて言葉や
“あり得ない”
って言葉は存在しないんだ。」
そう言って雷神に笑って見せた。





「く、くそう!!
死ねぇ!!」
雷神は俺に向かって拳を振り上げ
連発して殴ってきた。





だが、その動きは
あまりにも遅く感じた。











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