儚き願い
私は風神の攻撃を避けなかった。
「何故避けなかった?」
風神の目に悲しみの色があるのがわかった。
「あなたも同じ。
私の攻撃避けてないでしょう?」
私は風神の腹部に浮かんでいる血を指さして言った。
「参った・・・
この勝負私の負けだ。」
風神は私に言った。
「私ももう戦えないや。」
と風神に薬を差し出して笑った。
「何故助ける?」
風神は言う。
「似てるから・・・
主様に・・・
無理してまで立ち上がる姿が・・・」
私の目は、凍てつく様なものではなくなっていた。
そう。
暖かいものに変わっていた。
こうして、戦いを終えた私たちは
暖かい空気の中笑っていた。
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