儚き願い



最後に僕が見た世界・・・
瞼に光の粒が溢れていた。





僕の涙でボヤボヤと歪んだ世界・・・
みんなが、

牙炎が、

守楠が、

風神が、

雷神が、

みんな涙していた。



獣だから泣かないなんて、

獣だから涙が出ないなんて、



そんな事はない。
そんなはの嘘。



遠くに微かに見えた。

紅赤の顔も・・・
沢山の涙で濡れていた。




みんな

みんな
泣いていた。




ごめんね。
蓮華・・・




僕は分かっていたけど
また望んじゃった。




だって君が居ないのに
僕1人では幸せになんか
なれないから








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