通学電車物語
私、今岡清羅(キヨラ)は混乱していた
別に巨大迷路に入って、右も左もわからずに立ち往生している訳ではない
いや、むしろ気持ちはそれに似ているのかもしれない
電車に乗って、このポカポカ陽気に照らされて眠ってしまったようだ
それは何となくわかる
昨日、よせばいいのに夜中まで録り貯めていたドラマを見ていたせいだろう
私は軽く溜息をつきながら隣を見る
でもわからないのはこれ
目が覚めると
私の肩に寄り掛かって静かに寝息を立てて眠る、名前も知らない彼
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