通学電車物語



そんな彼女の瞳から再び涙が零れた



「生きてたぁ〜…よかったぁ〜…」



そう言って
ぽろぽろポロポロ
真珠みたいにキレイな涙が次々と彼女の大きな瞳から零れていく



「全然起きないから、すごく心配したんだよ〜…」



そしてずっと見たいと思っていた満面の笑顔が広がる



俺はその瞬間
自分がとんでもない勘違いをしていたことにやっと気がついたんだ




「驚かしてごめん…」



俺は彼女の握っていた手を両手で包み込んだ







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