セレブ少女りりか

そして、『めり&けんとラブラブ大作戦』がはじまった。
<作戦その1。話しかける>

「めり、まずは話しかける事からよ!」
「そんな急には無理だよ・・・」
「そんな事言ってたらずっとこのままの関係なのよ!そんなのイヤでしょ?」
「う、うん・・・」
りりかは無理矢理(!?)めりを連れてけんとの教室へ向かった。
「あ!いたわ!」
「りりかちゃん、声がおっきいって!」
「ごめん。とりあえず、あの人の名前呼んで!」
「え!出来ないよぉー!」
「ダメ!やるの!声もかけられないでどーするの?!」
「そーだけど・・・。」
「ほら頑張ってめり!」
「う、うん。け、けんとくーん!」
めりは、思いきって名前を呼んだ。けんとはめりの声に気づき、こっちに近づいてきた。
「ど、どうしよう!こっちに来るよー!」
「呼んだんだからあたりまえじゃない!今度は挨拶して、教科書でも借りたら?」
「私そんなこと出来な・・・」
こんな言い合いをしている間にけんとは、りりか達の目の前まで来ていた。
「あ、りりかさんとめりちゃんじゃん。俺に何か用?」
「ほらめり。」
「うん。あ、あの・・・、お、おはようご、ございます・・・!」
めりの顔はすでに赤くなっていた。
「おぅ。はよ。」
「えっと・・・その・・・きょ、教科書貸しても、もらえませんか?」
「教科書?いいよ。何の?」
「あ、国語!」
「国語ね。ちょっと待ってて。」
なんとかめりは言うことが出来た。
「はい。これ。」
「あ、ありがとぅ。」
「おぅ。それじゃ。」
けんとは、友達のところに戻って行った。
「あーきんちょーしたぁー!」
「めり、頑張ったね!教科書も借りられたし♪」
「うん!私がけんとくんの教科書持ってるなんて信じられない!」
「この調子でどんどんアピールするわよ!」
りりかのやる気がさらに上がった。
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