【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「ただ作るのちょっと久々だから、味の保証はできないが」
「……いただきます」
わたしはフレンチトーストを一口パクリと食べる。
社長は不思議そうにわたしをずっと見る。
「……おいしいです」
なんか優しい味がするわ。
ちょっと懐かしいような、そんな感じ。
「ほんとか??よかった……」
「なんかすごく優しい味がします。……ほんのり甘くて、おいしいです」
「よかった。ちょっと自信なかったんだけどな」
「わたし、フレンチトーストってあまり食べませんけど、これはすごくおいしいと思います」
社長の新たな一面を見つけたって感じね。
「ならよかった。美優紀が疲れてるんじゃないかと思って、今日は頑張ってみたんだ」
「ありがとうございます。こんなにおいしいもの食べたら、今日も1日仕事頑張れそうです」
「いや、逆に俺のが美優紀に色々と支えてもらってるし。……少しは恩返ししないとな」
「そんな。別に気にしなくても大丈夫ですよ、社長」
「でもよ、こうして毎日支えてもらってるわけだし、少しは恩返ししないと申し訳ないって」
「わたしなら大丈夫です。社長を支えるのが、わたしの仕事ですから」