【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「……そうかな」
「はい。社長はみんなから尊敬されていますから。みんな社長の背中を見て、生きているんですよ。……もちろんわたしも、社長の背中を見ています」
「……美優紀」
「社長は、ちゃんと社長です。そしてこれからもずっと、会社の未来を背負っていくのは、社長だけです」
美由紀の言葉に、なんだか心がホッとする。
「……実は言うとな」
「はい??」
「なんで社長になったのかって考えた時、答えがわからなかった」
「……わからない??」
「ああ。俺はなんで社長なんかやってるんだろうって、考えても答えなんかわからなかった」
「……社長にとって、会社のトップに立つって、何なんですか??」
「え??」
「いいですか、社長。社長はわたしたちのトップに立つ人です。だから辛いこともあると思うし、苦しいこともあると思います。……だけど社長は、今まで何度もちゃんとそこに真っ正面から向き合ってきたじゃないですか。絶対そこから逃げずに、頑張ってきたじゃないですか」
「……確かに苦しいし、辛いな。社長って立場は」
「だけど社長は、会社のトップに立つ人間として、ひたむきにまっすぐ向き合ってきたじゃないですか。 わたしはそんな社長を、すごく立派だと思います」