【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
政略結婚とか絶対イヤだ。結婚するなら、好きなヤツとする。
ブー……ブー……。そして突然鳴り出す電話。
相手は秘書の藤枝からだった。小さくため息をつき、電話に出る。
「もしもし」
「社長、会長がお見えになっていますので、すぐに会社に戻ってきてください」
「会長が?? わかった。すぐ戻る」
会長が会社に来ただと??
そうなると理由は、1つしかない……。
俺はスーツに着替えると、急いで会社へと車を走らせた。
「社長、会長が社長室でお待ちです」
会社に戻った途端、藤枝にそう告げられた。
「わかった。藤枝はここで待っていろ。―――――多分、例の件だから」
「わかりました。終わりましたら、お呼びください」
藤枝はそう告げると、そそくさと俺の前から消えた。
「失礼します」
呼吸を整え、社長室のドアを開ける。
案の定、親父が俺の方に振り向く。
「遅かったな。藤枝くんに聞いたら、出掛けたと言っていたぞ」
「……なんの用ですか、一体」
まぁなんとなくは予想できる。 たぶん結婚のことだろう。