【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「……わかりました。できる限りのことは、してみます」
「頼んだ。これには会社の未来がかかってる」
「……はい。わかりました」
そう呟き、社長室を出ていく美優紀。
今思うと美優紀には少し、ムリをさせたかもしれないな。
美優紀は俺の秘書としてよく働いてくれている。だが俺も必死なせいか、美優紀にムリなことを押し付けているような気がする。
美優紀には悪いが、今は大事な時だ。美優紀にも頑張ってもらわないと困るんだ。
とりあえずなんとかして、株価を上げないと……。
「……社長??」
「………」
「社長??」
「………」
「しゅ、しゅう……いちさん??」
「……ん??」
「なぜ社長と呼ぶと反応しないのに、秋一さんと呼ぶと反応するんですか??」
「えっ??んー……なんでかな??」
だって美優紀には、俺のこと名前で呼んでほしいから。妻には名前で呼ばれたいものだ。
「……なにがあったのはわかりませんが、夕飯が冷めてしまうので早く食べてください」
「あっああ。悪い」
「いえ。久しぶりに作ったので、味の保証はできませんが」
「そんなことない。……うん、うまいよ」
「ありがとうございます」
「美優紀ってさ、前より美味くなってるな」