【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
だからもう家では美優紀に逆らうことはできない。
美優紀が鬼嫁になるから。だから俺はもう、美優紀には勝てそうにない。
……鬼嫁美優紀、最強すぎて反抗できない。
「ごちそうさま」
「はい」
俺はすぐに洗濯物に取りかかる。
正直な話、結婚するまでこんな地味な作業をまさか俺がやらされることになるとは、到底思っていなかったが。
社長である俺が、まさか鬼嫁美優紀には勝てないだなんてとてもじゃないが言えない。というか、恥ずかしすぎて言えない。
でも俺は、そんな美優紀が好きなんだな。
愛がどんどん深くなっていく気がする。 俺は美優紀が好き。
あまり実感はないけど、美優紀を見てるとすごくドキドキするんだよな。
なぜかはわからない。
だけど今までの女に感じたことのない感情だったりする。
「……なぁ、美優紀」
「はい。なんですか??」
「……ちょっとだけ、抱きしめてみてもいいか??」
「はいっ!? なっなんですか、突然??」
「なんとなく、美優紀のこと抱きしめてみたくなって」
「ですから、わたしのこと抱きしめてもなにも変わらないような……」
「わかってるよ。ちょっとだけだから。な??」
だけど好きな女をこの手で抱きしめたいと思うのは、自然なことだと思う。誰しも思うことだ。