【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「はい」
わたしは社長の表情が少し軽くなるのを感じた。
その後は、ただ黙々とひたすら残っている仕事をする社長であった。
「社長、ご飯ができましたよ??」
「ああ。今行く」
仕事を終えた社長とともに、夕飯を食べるのが最近毎日の日課だ。
献立を考えるのは大変だけど、どんな料理を作ってもおいしいと言って食べてくれるんだ、社長は。
「……今日もうまい」
「ありがとうございます。今日は社長の好きなサバの味噌煮にしました」
「うまい。味付けちょうどいい」
「良かった。作った甲斐があります」
「……なぁ美優紀」
「はい。なんでしょう??」
「お前、今回のことについてどう思う??」
「……と言いますと??」
「わざわざあっちから契約をしたいと申し出てきた。……でもちょっと変だと思わないか??」
「変、ですか??」
「ああ、向こうとは1度は俺たちと対立していた。それ以来あまり関わることもなかったのに、なぜ今になってそんなことを言ってきたと思う??」
「……いえ。わたしにはさっぱり」
検討もつかないわ。それに、考えたことなかったわ……。
「これは俺の推測だが……」