【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
side秋ー
「どうだ??藤枝」
「やはり社長の言う通りでした。向こうはすんなりと受け入れました」
「そうか。……後はこのまま、罠に掛かるのを待つだけだ」
だがすべてがうまくいくとは限らない。油断は禁物だ。
「……社長、あの方は一体誰なんです??」
美優紀が俺に問いかけてくる。
「俺にとって兄貴みたいな人だ」
「兄貴みたいな人、ですか……??」
「ああ、俺にとってはすごく大切な存在なんだ。俺が切羽詰まった時、何度も勇気付けてくれた人だ」
「そうだったんですか。だからあの方に頼んだんですか??」
「まぁそれもある。……けどそれだけじゃない」
「どういうこと、ですか??」
「美優紀も知ってるだろ??2年前の、あの有名な会社の買収事件」
「はい。あれはかなり話題になりましたからね」
「あの会社を買収したのは、あの人だ」
「……っ!?」
「当時のあの人は、俺たちにかなりの衝撃を与えた人だ。あの大きな会社が買収されたと聞いた時、俺は衝撃を受けた。しかも当時のあの人は、俺たちの中じゃ最強とも言えるような人だった」
「……だから今回のことも、その人に??」
「ああ。あの人がいれば、もうなにも怖いものはないからな」