【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】

side秋ー



「どうだ??藤枝」

「やはり社長の言う通りでした。向こうはすんなりと受け入れました」

「そうか。……後はこのまま、罠に掛かるのを待つだけだ」

だがすべてがうまくいくとは限らない。油断は禁物だ。

「……社長、あの方は一体誰なんです??」

美優紀が俺に問いかけてくる。

「俺にとって兄貴みたいな人だ」

「兄貴みたいな人、ですか……??」

「ああ、俺にとってはすごく大切な存在なんだ。俺が切羽詰まった時、何度も勇気付けてくれた人だ」

「そうだったんですか。だからあの方に頼んだんですか??」

「まぁそれもある。……けどそれだけじゃない」

「どういうこと、ですか??」

「美優紀も知ってるだろ??2年前の、あの有名な会社の買収事件」

「はい。あれはかなり話題になりましたからね」

「あの会社を買収したのは、あの人だ」

「……っ!?」

「当時のあの人は、俺たちにかなりの衝撃を与えた人だ。あの大きな会社が買収されたと聞いた時、俺は衝撃を受けた。しかも当時のあの人は、俺たちの中じゃ最強とも言えるような人だった」

「……だから今回のことも、その人に??」

「ああ。あの人がいれば、もうなにも怖いものはないからな」
< 142 / 290 >

この作品をシェア

pagetop